インターネットで銀行や役所を装ったメールやサイトを見たら? お金や個人情報の手続きに関する安心確認ステップ
インターネットを利用していると、銀行や役所など、信頼できる機関からのメールやウェブサイトを目にすることがあります。中には、「パスワードの変更が必要です」「口座情報の確認をお願いします」「未払いの税金があります」といった、お金や個人情報に関わる重要なお知らせのように見えるものもあります。
このような連絡を受け取った際、それが本当にその機関からのものなのか、あるいは詐欺ではないのか、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に、すぐに手続きをするように急かされたりすると、どのように対応すれば良いか迷ってしまうこともあるかと思います。
この記事では、もしインターネット上で銀行や役所を装ったようなメールやサイトでお金や個人情報に関する手続きを求められた場合に、落ち着いて確認するためのシンプルで具体的なステップをご紹介します。これらのステップを知っておくことで、安心してインターネットを利用できるようになります。
なぜ、銀行や役所を装う手口に注意が必要なのでしょうか
詐欺を働く人々は、私たちが普段から信頼している銀行や公的な機関の名前を悪用することがよくあります。これは、多くの人が「銀行や役所からの連絡なら、間違いないだろう」と考えてしまう心理を利用しているためです。
偽のメールやウェブサイトを使って、私たちから大切な情報(例えば、銀行の口座番号、パスワード、クレジットカード情報、マイナンバーなど)や、お金をだまし取ろうとします。見た目は本物そっくりに作られていることもあり、注意深く見ないと見分けるのが難しい場合もあります。
安心のための確認ステップ
もし、インターネット上で銀行や役所を名乗るメールやウェブサイトで、お金や個人情報に関する手続きや入力を求められたら、すぐに言われた通りに行動せず、以下のステップで確認してみてください。
ステップ1:届いたメールや開いたサイトを安易に信用しない
まず大切なのは、「これは本物だろうか?」と少し立ち止まって考えることです。銀行や役所が、メールやSMSだけでいきなり重要なお金や個人情報の手続きを求めることは、あまりありません。多くの場合、公式な通知方法(郵送のお知らせや、普段お使いの公式アプリ内の通知など)で伝えられます。
ステップ2:メールやサイトのリンクを使わず、自分で公式サイトにアクセスして確認する
届いたメールに「こちらをクリックして手続きをしてください」といったリンクがあっても、絶対にクリックしないでください。もし、その内容が本当かどうかを確認したい場合は、以下のようにご自身で公式サイトにアクセスしてください。
- 普段お使いの検索エンジン(GoogleやYahoo!など)で、お目当ての銀行名や役所名を正確に入力して検索し、検索結果に表示された公式のウェブサイトのURLをクリックしてアクセスします。
- 以前に自分でブックマークやお気に入り登録をしておいた、公式のウェブサイトのURLからアクセスします。
公式サイトにアクセスしたら、そこに同じようなお知らせや手続きに関する情報が掲載されているか確認してみましょう。
ステップ3:表示されているURLをよく確認する
ウェブサイトのアドレス(URL)は、そのサイトが本物かどうかを見分ける重要な手がかりの一つです。ウェブサイトのアドレスバーに表示されているURLをよく見てください。
例えば、銀行の公式サイトのURLは、一般的にその銀行の正式名称が含まれています。偽のサイトは、本物のURLととてもよく似たアドレスを使っていることがあります。よく見ると、少しだけ文字が違っていたり、余計な記号が入っていたりすることがあります。
慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、「普段見慣れているURLと少し違うな」と感じたら、注意が必要です。怪しいと思ったら、個人情報などの入力は絶対にしないでください。
ステップ4:個人情報やお金に関する情報の入力を求められても、すぐに入力しない
もし開いたサイトで、銀行口座のパスワードやクレジットカード情報、生年月日、住所などの個人情報の入力を求められても、そのサイトが本当に公式なものだと確信できるまでは、絶対に入力しないでください。
詐欺サイトは、入力された情報を盗み取ることが目的です。一度情報を渡してしまうと、取り返しがつかなくなる可能性があります。
ステプ5:不審に思ったら、直接問い合わせる
もし、メールやサイトの内容が不審だと感じたり、本物かどうか判断に迷ったりした場合は、一人で悩まず、その機関に直接問い合わせて確認することをおすすめします。
ただし、問い合わせる際は、怪しいメールやサイトに書かれている電話番号やメールアドレスには連絡しないでください。それらも詐欺師が用意した偽の連絡先である可能性が高いからです。
問い合わせ先を調べる時は、公式サイトや普段使っている通帳、カードの裏面などに記載されている公式の電話番号や問い合わせ窓口をご利用ください。
これだけは覚えておきましょう
- 銀行や役所が、メールやSMSでパスワードや口座番号、クレジットカード情報などを直接入力させたり、すぐに電話をかけさせたりすることは、原則としてありません。
- 大切な手続きや重要なお知らせは、公式のウェブサイトのお知らせ欄に掲載されたり、郵送で通知されたりすることがほとんどです。
- 不安に感じたら、メールやサイトのリンクは使わず、必ずご自身で調べて公式サイトにアクセスするか、公式の連絡先に電話で確認してください。
安心してインターネットを利用するために
インターネット上で、銀行や役所からの連絡だと思って開いたものが、実はお金や個人情報を狙った偽物だった、というケースは少なくありません。しかし、これらの確認ステップを思い出して落ち着いて行動することで、多くの詐欺から身を守ることができます。
もし、ご自身での確認が難しかったり、どうしても不安だったりする場合は、警察や消費生活センターなどの公的な相談窓口に相談することも考えてみてください。一人で抱え込まず、信頼できるところに相談することが、安心につながります。
インターネットは私たちの生活を便利にしてくれますが、残念ながら危険な情報も存在します。正しい知識と簡単な確認方法を知って、インターネットを安全に利用していきましょう。