安心のためのシンプルステップ:有名企業や公的な機関を装ったメッセージの見分け方
インターネットやスマートフォンの利用が日常的になる中で、有名企業や公的な機関からの連絡を装った、不審なメッセージが増えているという話を聞くことがあるかもしれません。例えば、大手通販サイトや銀行、あるいは税務署や警察といった機関からの連絡に見えるものです。
このようなメッセージを受け取ると、本物かどうか判断に迷い、不安を感じてしまうことがあると思います。しかし、ご安心ください。怪しいメッセージかどうかを見分けるための、誰でもできる簡単な確認方法があります。この記事では、そのシンプルステップをご紹介します。
怪しいメッセージを見分けるための簡単な確認ステップ
まず最も大切なことは、怪しいかもしれない、と少しでも感じたら「慌てない」ことです。多くの詐欺メッセージは、受け取った人を焦らせて、冷静な判断をさせないように仕向けています。ですから、落ち着いて、以下のステップで確認してみてください。
ステップ1:一旦立ち止まり、メッセージをよく見てみましょう
メッセージを開いた瞬間、指示に従ってすぐに行動する必要がある、と感じるかもしれません。しかし、まずは「これは本物だろうか?」と疑問を持つことから始めてみましょう。そして、メッセージの内容を落ち着いて見てください。
ステップ2:差出人や送信元を注意深く確認しましょう
メールであれば、差出人の名前だけでなく、そのメールアドレスをよく見てください。公式サイトなどで普段見慣れているメールアドレスと、少しでも違う点はありませんか。正規の企業や機関のアドレスは、通常、特定のドメイン名(@の後に続く文字)を使用しています。見慣れないドメイン名だったり、企業の名前とは関係なさそうな文字の羅列だったりする場合は、注意が必要です。
SMS(ショートメッセージ)の場合も、送信元の電話番号を確認してみてください。見慣れない番号や、海外からの番号のように見える場合は、慎重になりましょう。
電話の場合、相手が名乗った企業名や機関名を覚えておいてください。
ステップ3:メッセージの内容や言葉遣いをよく確認しましょう
怪しいメッセージは、日本語がおかしかったり、不自然な言い回しが使われていたりすることがよくあります。また、「あなたの口座が凍結されます」「すぐに支払わないと大変なことになります」など、受け取った人を強く急かしたり、不安を煽ったりするような言葉遣いが特徴です。
- 不自然な日本語や誤字脱字がないか
- 強い言葉で急かされていないか
- 個人情報(氏名、住所、生年月日など)や、銀行の口座情報、クレジットカード情報などを求められていないか
このような点に注意して、内容を読んでみましょう。正規の企業や機関が、いきなりこのような方法で個人情報や支払い情報を求めることは、ほとんどありません。
ステップ4:メッセージに載っているリンクや電話番号を安易に使わないようにしましょう
メールやSMSの本文に、ウェブサイトへのリンクが貼られていることがあります。また、電話で「この電話を切らずに〇番を押してください」と言われたり、メッセージの中に書かれた電話番号にかけ直すよう指示されたりすることもあります。
不審なメッセージに載っているリンクをクリックしたり、指示された電話番号にかけたりすることは、危険を伴う場合があります。安易にクリックしたり、電話したりするのは避けましょう。
ステップ5:不安なら、自分で正規の連絡先を調べて確認しましょう
もし、受け取ったメッセージが本物かどうか判断できない、少しでも怪しいと感じる場合は、メッセージに載っている情報を使わず、自分でその企業や機関の正規の連絡先を調べて問い合わせてみるのが最も確実な方法です。
普段から利用している公式サイトや、電話帳などに記載されている電話番号など、ご自身が信頼できる情報源から連絡先を探してください。そして、そこに問い合わせて、受け取ったメッセージが正規のものだったか確認してみましょう。
もし、ご自身で正規の連絡先を調べたり、問い合わせたりするのが難しい場合は、信頼できるご家族や、お住まいの地域の相談窓口に助けを求めることも考えてみてください。
もし不安を感じたら
これらのステップを試しても、まだ不安が残る場合や、どうしたら良いか分からない場合は、一人で抱え込まず、誰かに相談することが大切です。
- 消費生活センター: 全国の身近な場所にある相談窓口です。怪しい請求や契約など、消費生活に関する様々な相談に乗ってくれます。最寄りの消費生活センターの連絡先は、インターネットで「〇〇市 消費生活センター」(〇〇にはお住まいの市区町村名が入ります)と検索するか、全国共通の電話番号「188」(いやや)に電話して案内を受けることができます。
- 警察相談専用電話: 警察に相談したいけれど、緊急性はない場合に利用できる電話番号です。「#9110」にかけると、最寄りの警察署の相談窓口につながります。
まとめ
インターネット上のメッセージや電話の中には、私たちを騙そうとするものが残念ながら存在します。しかし、必要以上に恐れることはありません。慌てずに一旦立ち止まり、メッセージの送信元や内容をよく確認し、安易にリンクをクリックしたり連絡を取ったりしない。そして、少しでも不安なら、自分で正規の情報源を確認するか、信頼できる人や公的な相談窓口に相談する。
これらの簡単なステップを覚えておくだけで、不審なメッセージから身を守る可能性が高まります。どうぞ安心して、インターネットやスマートフォンをご利用ください。