インターネットで見かける偽の警告画面、慌てずに閉じる方法
インターネットを安心してお使いいただくために、今回は突然画面に現れることがある「偽の警告画面」について、その特徴と簡単な対処方法をお話しいたします。
突然の警告画面に戸惑ったら
インターネットでウェブサイトを見ているときや、何かを操作しているときに、突然「あなたのパソコンはウイルスに感染しました!」といった警告のメッセージが画面いっぱいに表示されて、驚かれた経験はないでしょうか。大きな音が出たり、「すぐにこの番号に電話してください」と書かれていたりすることもあります。
このような画面を見ると、つい慌ててしまったり、「大変なことになった」と不安になったりするのは当然のことです。しかし、こうした警告画面の多くは、実際にはウイルスに感染しているわけではなく、「偽物」であることがほとんどです。
この記事では、こうした偽の警告画面に出会ったときに、慌てずに確認し、安全に対処するためのシンプルで具体的な方法をご紹介します。
偽の警告画面とはどのようなものか
偽の警告画面は、インターネットを見ている「ブラウザ」というソフトの画面に表示される、本物のように見せかけた偽の情報です。これらは、あなたを驚かせて、書かれている電話番号に電話をさせたり、個人情報を入力させたり、お金をだまし取ろうとする目的で作られています。
画面には以下のような特徴が見られることがあります。
- 真っ赤や黄色など、目立つ色で「危険」「警告」と表示される
- 大きな文字で不安をあおるようなメッセージが表示される
- 警告音や音声が流れる
- 「今すぐ電話してください」といった電話番号が表示される
- 「このままインターネットを使うと危険です」といったメッセージが表示される
これらの画面は、あたかもパソコンやスマートフォンが深刻な状態にあるかのように見せかけますが、実際には単にウェブサイトに表示されている「画像」や「文字」であることが多いのです。
慌てずに試せるシンプルな確認と対処法
もし偽の警告画面が表示されても、どうか慌てないでください。次に紹介するシンプルな方法を試してみてください。
ステップ1:画面の情報を鵜呑みにしない
まず、表示された警告が「偽物かもしれない」と疑ってみることが大切です。画面に書かれていることをすぐに信じたり、指示に従ったりせず、落ち着いて状況を確認してみましょう。
特に、「すぐに電話してください」「このソフトをダウンロードしてください」といった具体的な行動を求める指示には、十分な注意が必要です。本物のセキュリティ警告が、突然電話をかけさせたり、知らないソフトのダウンロードを促したりすることは、通常ありません。
ステップ2:画面を閉じようと試みる
表示されている警告画面の多くは、ウェブサイトを見ているブラウザの画面として表示されています。そのため、ブラウザの「閉じる」機能を使って画面を閉じることができる場合がほとんどです。
- パソコンの場合: 画面の右上や左上にある「×」のマークをクリックしてみてください。これがブラウザのウィンドウを閉じるボタンです。
- スマートフォンの場合: ブラウザアプリの「タブ」を切り替える機能を使って、警告画面が表示されているタブを閉じたり、アプリ自体を終了させたりすることができます。ホームボタンを押して一度ホーム画面に戻るのも良い方法です。
もし「×」ボタンをクリックしても画面が閉じられなかったり、「このページから移動しますか?」といったメッセージが表示されたりしても、「ページから移動」「はい」「OK」といったボタンを選んでみてください。多くの場合、これで画面を閉じることができます。
どうしても画面が閉じられない場合は、パソコンの場合は「Ctrl」キーと「Alt」キーと「Delete」キーを同時に押して「タスクマネージャー」を起動し、開いているブラウザのソフトを選んで「タスクの終了」をクリックする方法があります。(操作が難しい場合は無理しないでください。)
最終手段として、パソコンやスマートフォンの電源ボタンを長押しして、一度電源を切ってしまう方法もあります。ただし、作業中のデータなどは消えてしまう可能性がありますので、可能な限り他の方法を試すことをお勧めします。
ステップ3:電話や指示には絶対に従わない
偽の警告画面に表示されている電話番号には、絶対に電話をかけないでください。 電話をかけてしまうと、さらに不安をあおるようなことを言われたり、高額な料金を請求されたりする可能性があります。
また、画面の指示に従って、よくわからないソフトをダウンロードしたりインストールしたりすることも、絶対にやめてください。
ステップ4:不安な時は信頼できる人に相談する
もし、これらの方法を試しても不安が残る場合や、操作が難しく感じる場合は、一人で悩まず、信頼できるご家族やご友人などに相談してみてください。
また、公的な相談窓口として、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話することで、消費生活センターなどに相談することも可能です。困ったときは、こうした専門の窓口に相談することも考えてみましょう。
日頃からの準備と心構え
偽の警告画面に慌てず対処するためには、日頃からの準備も大切です。
- お使いのパソコンやスマートフォンの「基本ソフト(OS)」や、インターネットを見るときに使う「ブラウザ」のソフトは、常に最新の状態に更新しておきましょう。最新の状態にすることで、安全性が高まります。
- 信頼できるセキュリティソフトを利用することも有効な手段の一つです。ただし、セキュリティソフトが入っているからといって、すべての危険を防げるわけではありませんので、過信は禁物です。
- 最も大切なのは、「突然の警告画面は偽物が多い」ということを知っておき、もし表示されても慌てない心構えを持つことです。
記事の結びに
インターネットを使っていると、今回お話ししたような偽の警告画面に出会うことがあるかもしれません。しかし、それは決して怖いものではありません。
この記事でご紹介した「画面の情報を鵜呑みにしない」「慌てずに画面を閉じることを試みる」「電話や指示には従わない」「困ったら誰かに相談する」といったシンプルなステップを知っていれば、きっと落ち着いて対処できるはずです。
インターネットは便利で楽しいものですが、時には注意も必要です。不安になった時は、一人で抱え込まず、周りの人や相談窓口に頼ってください。読者の皆さんが、これからも安心してインターネットを利用できることを願っております。