役所や電気・ガス会社を装った連絡、騙されないための確認ステップ
インターネットを利用していると、役所や電気、ガス会社といった公共機関や事業者を名乗る連絡を受け取ることがあります。中には、料金の未払いを請求されたり、個人情報の更新を求められたりする内容が含まれている場合があり、不安を感じることもあるかもしれません。
このような連絡が本当に公式なものなのか、それとも怪しいものなのかを見分けるために、どなたでも簡単にできるいくつかの確認ステップをご紹介します。慌てずに、落ち着いて一つずつ確認していくことが大切です。
連絡が届いたら、まず立ち止まる
怪しい連絡は、人の不安や焦りをあおるような言葉を使っていることがあります。「すぐに手続きをしないと大変なことになる」といった内容で、考える時間を与えずに反応させようとする手口です。
もし役所や電気・ガス会社を名乗る連絡を受け取ったら、書かれている内容がどのようなものであっても、まずは一度立ち止まりましょう。すぐに書かれている電話番号に電話したり、リンクをクリックしたりしないことが大切です。
公式な情報源で確認する
受け取った連絡が本物かどうか確認する最も確実な方法は、自分で公式な情報源にアクセスしてみることです。
例えば、連絡が役所からのものだった場合、その役所の公式サイトを自分でインターネット検索して探してみましょう。電気やガス会社からの連絡であれば、普段利用している会社の公式サイトを探します。
- 公式サイトを探す: インターネットの検索サイトで、連絡してきたとされる機関や会社の正式名称を入れて検索します。検索結果から、その組織の公式サイトを見つけ出してください。公式サイトのアドレス(URL)は、怪しいサイトと見分けるための重要な手がかりになります。よく知られている大きな組織であれば、「〇〇市役所 公式サイト」「△△電力 公式ホームページ」といった形で表示されることが多いです。
- 公式サイトに記載されている連絡先を確認する: 見つけた公式サイトにアクセスしたら、「お問い合わせ先」や「連絡先一覧」といったページを探してみてください。そこに記載されている電話番号や住所、メールアドレスなどが、公式の連絡先です。
怪しい連絡に書かれている電話番号やメールアドレスは、公式のものとは異なる場合がほとんどです。自分で公式サイトを確認し、そこに載っている正規の連絡先と照らし合わせることが、騙されないための大切なステップになります。
不安な点を確認する
もし、受け取った連絡の内容について不安な点がある場合は、自分で調べた公式サイトに載っている電話番号に電話をして、直接確認してみましょう。
その際、受け取った連絡に書かれていた電話番号には絶対に電話しないように注意してください。怪しい相手に直接つながってしまう可能性があります。必ず自分で調べた公式サイトの電話番号にかけ直すようにしましょう。
電話で問い合わせる際には、「〇〇という内容の連絡を受け取ったのですが、貴社(または貴所)からのものですか?」と具体的に尋ねてみてください。公式な機関や会社であれば、受け付けた連絡について確認してくれます。
また、メールやSMSでリンクが含まれている場合、そのリンクをクリックする前に、リンクのアドレス(URL)を確認してみてください。マウスカーソルをリンクの上に重ねると、画面の下の方にリンク先のアドレスが表示されることがあります。公式サイトのアドレスと大きく異なる場合は、怪しいリンクである可能性が高いです。(ただし、この方法はスマートフォンでは少し難しく、間違ってタップしてしまうリスクもありますので、不安な場合はクリックしないのが最も安全です。)
個人情報や金銭を要求されたら特に注意
役所や電気・ガス会社が、突然メールや電話で個人情報(銀行口座番号やクレジットカード情報など)を聞いたり、お金を振り込むように求めたりすることは基本的にありません。
もし、このような情報を求められたり、支払いを急かされたりした場合は、それは怪しい連絡である可能性が極めて高いと考えてください。絶対にその場で情報を提供したり、支払いをしたりしないでください。
少しでも不安に思ったら、一人で悩まない
インターネット上の情報や連絡について、少しでも「これはおかしいな」「本当に大丈夫かな」と不安に感じたら、一人で抱え込まずに誰かに相談することが大切です。
- ご家族や信頼できるご友人: 身近な人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になりますし、別の視点からのアドバイスをもらえるかもしれません。
- 消費者ホットライン: 全国の消費生活センターなどにつながる電話相談窓口です。「188」(いやや)番に電話をかけると、お住まいの地域の相談窓口を案内してくれます。
- 警察の相談専用電話: サイバー犯罪に関する相談窓口などがあります。お住まいの地域によって連絡先が異なりますので、警察庁のウェブサイトなどで確認できます。
これらの相談窓口は、怪しい情報や詐欺の可能性がある事柄について、専門的な立場からアドバイスをしてくれます。遠慮なく相談してみてください。
まとめ
役所や電気・ガス会社を名乗る連絡を受け取った際は、
- 慌てずに、すぐに反応しない。
- 自分で公式なウェブサイトを検索して確認する。
- 公式サイトに記載されている電話番号に自分でかけ直して確認する。
- 安易にリンクをクリックしたり、個人情報や金銭を渡したりしない。
- 少しでも不安に思ったら、家族や相談窓口に相談する。
これらのシンプルなステップを覚えておけば、怪しい連絡に騙されるリスクを減らすことができます。インターネットは便利なものですが、注意すべき点もあります。この記事が、皆様が安心してインターネットを利用するための一助となれば幸いです。